都市にこそ、 微気候デザインを。

ヨーロッパには、太陽光や熱、雨、地熱、風などの自然エネルギーを利用して室内の温度や湿度をコントロールする「パッシブデザイン」という建築デザイン手法がある。入社以来、このパッシブデザインの研究に従事してきた担当者は、微気候デザインの開発をサポートした一人である。

「微気候」は地域によって大きく異なるため、「全国の気候データが揃えば、量産化後の設計・施工マニュアルの作成に役立つはず」との思いから、全国各地1,200の観測地点、600万の気候データを解析し、地域の気候特性を活かした住まいづくりを進めたのである。

そうして「微気候デザイン」住宅のプロトタイプというべき試行棟ができあがっていった。この試行棟の設計担当者は考えた。「微気候デザイン住宅の心地よさを、すべての人に提供したい。それには、郊外だけでは足りない。

都市にこそ、この微気候デザインを広めるべきだ。」都市の住宅は、敷地の狭さゆえに植栽や採光・通風が確保しづらく、プライバシーや防犯上の点からも開口サイズに制約がある。

その条件をクリアして、いかに都市で「微気候デザイン」を実現するか。「そうだ、水平方向から採風するという考えを捨てて、屋根の風を利用しよう。」そして開発されたルーバーデザインの性能が評価され、2006年のグッドデザイン賞も受賞。

都市型の微気候デザイン完成の瞬間であった。誰にとっても心地よい住まいとはーー。そんな問いかけがある限り、住まいの進化は止まることがないだろう。

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