自然に抗わない。取り入れてこそ、 住まいは進化する。

「微気候デザイン」とは、伝統的な住生活の知恵と現在の先進テクノロジーとを融合させ、蒸し暑い夏も寒い冬も快適に過ごせる住まい・まちづくりのために開発された設計手法のことである。夏の暑い日、昔ながらの日本建築に入っていくと、エアコンもないのになぜか涼しく心地よい。

この日本の伝統的な住環境のよさを無意識のうちに体感していた開発担当者は考えていた。この定量化されていない住み心地を、現代の住まいづくりに取り入れたいーー。そこで、建築環境工学の第一人者である東京工業大学大学院の梅干野教授にコンタクトを取り、共同研究に踏み出した。

住まい周辺に形成されるごく狭い範囲の気候=「微気候」を測定し可視化しようと考えたのである。1990年代当時、この目に見えない「微気候」を捉えようとする者はほとんどいなかった。当時の住宅業界では「全館空調」が全盛であり、彼らの理想とする「全館開放」という考え方は真逆を行くものであった。

そんな中でも彼らは気温・湿度・風向・風速・表面温度・放射温度・全球熱画像など多岐に渡る調査を実施。3年分におよぶ調査データを分析するうち、「微気候」が住環境に大きな影響を及ぼすことを裏付ける結果が出てきた。見えない「微気候」の正体が明らかになってきたのである。

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